2013年2月13日水曜日

12頭の牛

 
震災からあとひと月で2年目を迎える。
福島県楢葉町、除染作業が進む海沿いを歩いてみた
小田集落の河口の、枯れた茶色のセイタカアワダチ草の中に、
黒い動く群れを見た。近づいて見ると11頭の和牛と1頭の乳牛の群れだ。
レンズを向けると、24の眼が威嚇する、穏やかなあの牛ではない。
そして、群れて遠ざかる。この場所で2年過ごしたのだろうか、
この海岸は放射線量も高い、大量の被曝をしていることはあきらかだ。
物言わぬ牛の群れに、人間の為出かした愚かさを、何故か詫びたい。