猪狩英司 写真展「福島便り」
避難先の仮設住宅で聞いた。「地震から2日目の朝方消防の人が来て、原発が爆発したから早くに逃げろって、猫のエサを少し多めにあげて、朝食の茶碗も片付けずに家を出た」。
あれから6年目を迎える。被曝の恐怖、避難生活、生活保証金、見通し立たない今後の生活、原発事故で福島県民とくに双葉郡の人達は未曾有の苦しみを味わってきた、いやこれからも苦悩は続く。
この福島第一原発電所の事故原因の検証もなく、誰も責任を取らず、事故処理としての除染作業、汚染水処理、核燃料の処理に莫大な税金を投入し後処理が続いている。
にも関わらず、原発に投資した分回収したい全国の電力会社と政府、経産省は一日も早い再稼働のチャンスを伺っている。
福島を故郷に持つ者として再稼働を容認する訳にはいかない。福島の惨事を忘れてはいけない、あの原発事故の大惨事に世界中が凍りついたことさえも日常の出来事に掻き消され風化してしまう。「東日本大震災があり原発事故があったこと、そして福島の苦悩の現状を写真で伝えたい」その想いでシャターを押しています。
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