いわき市の薄磯は、残されていた住宅も基礎のコンクリートも
重機が入り急ピッチで整地作業が進められている。
強風で車の中で待機していると、コートの襟を立てた初老の
男性が柵を越え、迷うことなく敷地の中に立ち、袋の中から
何かを取り出し、宙に蒔いた。その場に少し佇んで去っていった。
私は思わぬ出来事に、車中からシャッターを押した。
話を聞きたかったが、あまりにプライベートな事に触れそうで
ドアを開けて降りることが出来なかった。
あれから、あの時の出来事がずっと気になっている。
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