「弧塁」 吉田千亜著 岩波書店
3.11原発事故時の震度7の巨大地震、福島第一原発事故の所在地を
管轄する福島県双葉郡8消防署隊員125名の行動記録である 。
東日本大震災によるケガ人救出のなか13日の原発3号機の爆発、10キロ圏内の避難誘導と不眠不休で救護活動の最中、
3月16日早朝、原発4号機火災発生 、出動命令が出る。現場は400msv。隊員は「生きては帰れぬ特攻隊だ」 覚悟した。
各々遺書を託し、残る隊員と上官に見送られて 21名の隊員は車両に乗り込み
雪の舞う川内出張所から原発の事故現場へと向う。
活字を追うごとに胸が締め付けられる。
その後も避難地区の無人地域で起こるか数々の不条理な出来事に対処していく。
原発事故での警察、自衛隊、医療機関の記録は映像や出版物で数多く周知されている。
消防隊だけがなぜかメデアに乗ることはなかった。だけにこの本は必読だ。
著書の中に双葉消防本部の知人も登場している 、機会があったらぜひ残る話を聞きたいと思っている。
この本は本田靖春ノンフェクション賞を受賞している。
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